HEP-NOTE

相互作用場の理論における経路積分

相互作用する量子場理論を,以下のようなLagrangianで定義する: $$ \mathcal{L}=-\frac{1}{2}Z_{\varphi}\partial^{\mu}\varphi\partial_{\mu}\varphi-\frac{1}{2}Z_mm^2\varphi^2-\frac{1}{6}Z_gg\varphi^3+Y\varphi $$ パラメータ $m$ は粒子の質量と等しくなるように固定される.また,パラメータ $g$ は,ある特定の散乱断面積が $g$ に特定の方法で依存するように固定される.さらに,場は次のように規格化されていると仮定する: $$ \langle 0 | \varphi(x) | 0 \rangle = 0,\quad \langle k | \varphi(x) | 0 \rangle = e^{-ikx} $$ ここで $|0\rangle$ は基底状態であり,$\langle 0|0\rangle = 1$ で規格化されている.$|k\rangle$ は4元運動量 $k^\mu$ を持つ一粒子状態で,$k^2 = k^\mu k_\mu = -m^2$ を満たし,次のように規格化されている: $$ \langle k' | k \rangle = (2\pi)^3 2k^0 \delta^3(\bm{k}' - \bm{k}) $$ したがって,$m$,$g$,$\langle 0|\varphi|0\rangle$,$\langle k|\varphi|0\rangle$ について4つの条件が課され,これら4つの条件を満たすようにLagrangian $\mathcal{L}$ に現れる残りの4つのパラメータ($Y$ と3つの $Z$)の値を決定する.

先に進む前に,この理論($\varphi^3$理論と書き,phi-cubedと発音する)には致命的な欠陥があることに注意する.Hamiltonian密度は $$ \mathcal{H}=\frac{1}{2}Z_{\varphi}^{-1}\Pi^2-Y\varphi+\frac{1}{2}Z_mm^2\varphi^2-\frac{1}{6}Z_gg\varphi^3 $$ である.古典的には,$\varphi$ の値を任意に大きく選ぶことで,この値を任意に負にすることができる.量子力学的には,このHamiltonianには基底状態が存在しないことを意味する.$\varphi = 0$ 付近に局在する状態は,ポテンシャル障壁をトンネルして大きな $\varphi$ へ進み,「坂を転げ落ちる」ことができる.しかし,この過程は $g$ の摂動論では扱えない.状況は,$q^3$ 項で摂動を受ける調和振動子の問題と全く同じである.この系にも基底状態は存在しないが,摂動論はこの事実を「知らない」.とりあえず,この理論を摂動展開を行う方法の例としてのみ扱うので,この問題は無視することにする.

この理論の経路積分を評価したい: $$ Z(J)\equiv \langle 0 | 0 \rangle_J = \int \mathcal{D}\varphi\,e^{i\int d^4x\,[\mathcal{L}_0+\mathcal{L}_1+J\varphi]} $$ $Z(J)$は,量子力学における経路積分の場合と同様の手順で評価できる.具体的には,次のように書き換えることができる: \begin{align} Z(J)&=e^{i\int d^4x\,\mathcal{L}_1\left(\frac{1}{i}\frac{\delta}{\delta J(x)}\right)}\int \mathcal{D}\varphi\,e^{i\int d^4x\,\mathcal{L}_0+\int d^4x\,J\varphi} \\ &\propto e^{i\int d^4x\,\mathcal{L}_1\left(\frac{1}{i}\frac{\delta}{\delta J(x)}\right)}Z_0(J) \end{align} ここで $Z_0(J)$ は自由場理論の場合の確率振幅である: $$ Z_0(J)=\exp[\frac{i}{2}\int d^4x d^4x'\,J(x)\Delta(x-x')J(x')] $$ $Z(J)$は右辺に比例する形で書かれているのは,$\varepsilon$処方が全体の規格化定数を正しく与えないためである.代わりに $Z(0) = 1$ となるように,手で規格化をしなければならない.

今の$\varphi^3$理論の場合, $$ \mathcal{L}_0=-\frac{1}{2}\partial^{\mu}\varphi\partial_{\mu}\varphi-\frac{1}{2}m^2\varphi^2 $$ である.残りの $\mathcal{L}$ はすべて $\mathcal{L}_1$ に含める: \begin{align} \mathcal{L}_1 =& \frac{1}{6}Z_g g \varphi^3+\mathcal{L}_\text{ct} \\ \mathcal{L}_\text{ct} =& -\frac{1}{2}(Z_{\varphi}-1)\partial^\mu\varphi\partial_\mu\varphi-\frac{1}{2}(Z_m-1) m^2 \varphi^2 + Y \varphi \end{align} ここで $\mathcal{L}_\text{ct}$ は相殺項Lagrangianと呼ばれる.$g \to 0$ の極限,すなわち自由場理論では $Y \to 0$ および $Z_i \to 1$ になるはずである.実際,後で見るように $Y = \mathcal{O}(g)$ かつ $Z_i = 1 + \mathcal{O}(g^2)$ である.

$Z(J)$を評価するためには,$Z_0(J)$ の汎関数微分を大量に計算する必要がある.まずは簡単のため相殺項を無視して考える: $$ Z_1(J) \propto \exp\left[ \frac{i}{6}Z_g g \int d^4x\,\left( \frac{1}{i}\frac{\delta}{\delta J(x)} \right)^3 \right]Z_0(J) $$ ここで比例定数は $Z_1(0) = 1$ となるように決める.ここで $g$ と $J$ について2変数のTaylor展開を行うと, \begin{align} Z_1(J) \propto& \sum_{V=0}^{\infty}\frac{1}{V!}\left[ \frac{iZ_gg}{6}\int d^4x\,\left( \frac{1}{i}\frac{\delta}{\delta J(x)} \right)^3 \right]^V \\ &\times \sum_{P=0}^{\infty}\frac{1}{P!}\left[ \frac{i}{2}\int d^4y d^4z\,J(y)\Delta(y-z)J(z) \right]^P \end{align} となる.$V$ と $P$ のある値の項に注目すると,すべての汎関数微分を取った後に残るソース$J$の数は $E = 2P - 3V$ となる(ここで $E$ は「外部(external)」を意味し,後でこの用語の意味が分かる;同様に$V$ は「頂点(vertex)」,$P$ は「プロパゲーター(propagator)」を表す).この項から生じる位相因子の肩には $i^V (1/i)^{3V} i^P = i^{V + E - P}$ が乗り,$3V$ 個の汎関数微分は $2P$ 個のソースに対して $(2P)!/(2P-3V)!$ 通りの組み合わせで作用する.しかし,得られる多くの式は代数的に同一であることが分かる.

これらの沢山の項を整理するために,Feynman図を導入する.Feynman図では,線分(直線または曲線)はプロパゲーター $i\Delta(x-y)$ を表し,線分の端にある塗りつぶされた円はソース $i\int d^4x\,J(x)$ を表す.3本の線分(汎関数微分を表す)が集まる頂点は $iZ_g g\int d^4x$ を表す.

(図を挿入)

右辺で,特定の図に対応する項の数を数えるには,各図において線(プロパゲーター)の数が $P$,頂点の数が $V$ であることに注目する.各頂点から出る3つの汎関数微分は,同じ図を保つように並べ替えても結果は変わらないので,各頂点ごとに$3!$の組み合わせがある.また,頂点自体も並べ替えても結果は変わらないので $V!$ の組み合わせがある.同様に,各プロパゲーターの向きを並べ替えても結果は変わらないので,各プロパゲーターごとに $2!$ の組み合わせがあり,プロパゲーター自体も並べ替えられるので $P!$ の組み合わせがある.これらすべての組み合わせ数は,2変数のTaylor展開から生じる項数とちょうど打ち消し合うことになる.

しかし,この手順では,同じ結果(図)を与える項の数を過剰に数えてしまうことが一般的に起こる.これは,例えば,ある汎関数微分(頂点から伸びる線分)の並べ替えが,あるソース(黒丸)の並べ替えと等価である場合などに発生する.このような場合は,常に図の対称性に関連しており,過剰に数えた図の個数は対称性因子(symmetry factor)と呼ばれる.

例えば,上のFeynman図を考えてみよう.3本のプロパゲーターは$3!$通りに並べ替えることができ,これらの並べ替えは頂点での汎関数微分の交換と等価である.また,各プロパゲーターの両端を同時に入れ替える(向きを変える)ことができ,その効果は2つの頂点を入れ替えることと等価である.したがって,対称性因子は $S = 2 \times 3! = 12$ となる.

さらに2つの例を考えてみよう.下のFeynman図では,2本の外部プロパゲーター(およびそれに付随するソース)を入れ替える操作は,一方の頂点をもう一方の頂点と交換し,同時に各半円状プロパゲーターの向きを入れ替える操作と等価である.上下の半円状プロパゲーターを入れ替える操作は,それぞれの頂点に対応する反関数微分を交換する操作と等価である.したがって,この場合の対称性因子は $S = 2 \times 2 = 4$ となる.

(図を挿入)

さらに下のFeynman図では,左側の上部と下部の外部プロパゲーター,右側の上部と下部の外部プロパゲーター,さらに左側と右側の外部プロパゲーターのセット同士を入れ替えることができる.これは汎関数微分の交換と等価である.したがって,対称性因子は $S = 2 \times 2 \times 2 = 8$ となる.

(図を挿入)

これまでに示したFeynman図はすべて連結である:図の任意の2点間を経路に沿ってたどることができる.しかし,これらだけが $Z(J)$ への寄与ではないことに注意する.最も一般的な図は,複数の連結図の積として構成される.$C_I$ を,対称性因子も含めた特定の連結図(に対応する項)とする.このとき一般的な図 $D$ は次のように表せる: $$ D = \frac{1}{S_D}\prod_I(C_I)^{n_I} $$ ここで $n_I$ は $C_I$ が $D$ の中に何個含まれているかを表す整数であり,$S_D$ は $D$ の追加の対称性因子である.次に,この $S_D$ を求める必要がある.

すでに各 $C_I$ 内でプロパゲーターや頂点の並べ替えを考慮しているので,異なる連結図同士のプロパゲーターや頂点の交換のみを考えればよい.これらの交換が全体の図 $D$ を不変に保つのは,

  • 等価な連結図同士で交換する場合
  • 交換が各連結図内のすべてのプロパゲーターと頂点に及ぶ場合
のみである.$D$ の中に $C_I$ が $n_I$ 個あるとき,これらの並べ替えは $n_I!$ 通り存在する.したがって,全体として $$ S_D=\prod_I n_I! $$ となる.$Z_1(J)$ は(規格化を除いて)すべての図 $D$ の和で与えられ,各 $D$ は各整数 $n_I$(連結図$C_I$がいくつ含まれるか)でラベル付けされる.よって \begin{align} Z_1(J) \propto& \sum_{\{n_I\}}D \\ =& \sum_{\{n_I\}}\prod_I\frac{1}{n_I!}\prod_I(C_I)^{n_I} \\ =& \prod_I\sum_{n_I=0}^{\infty}\frac{1}{n_I!}(C_I)^{n_I} \\ =& \prod_I \exp(C_I) \\ =& \exp\left(\sum_I C_I\right) \end{align} したがって,$Z_1(J)$ は連結図の和の指数関数で与えられるという重要な結果が得られる.これにより,規格化条件 $Z_1(0) = 1$ を課すのは簡単になる.すなわち,ソースのない($J=0$)真空図図を省略すればよい.そうすると $$ Z_1(J) = \exp[iW_1(J)] $$ となり,ここで $$ iW_1(J) \equiv \sum_{I\neq\{0\}} C_I $$ と定義する.ここで $I \neq \{0\}$ という記法は,真空図($I=0$)を和から除外することを意味し,$W_1(0) = 0$ となる[1]

もし$\mathcal{L}_1$の中に相殺項がなければ,$Z(J) = Z_1(J)$ となるはずである.実際にそうだった場合,どのような結果になるか見てみよう.特に,場 $\varphi(x)$ の真空期待値を計算してみる.これは次のように与えられる: \begin{align} \langle 0 | \varphi(x) | 0 \rangle =& \frac{1}{i}\frac{\delta}{\delta J(x)}Z_1(J)\bigg|_{J=0} \\ =& \frac{\delta}{\delta J(x)}W_1(J)\bigg|_{J=0} \end{align} この式は,ソースが1つだけある全ての図から,ソースを除いたものの和となる: $$ \langle 0 | \varphi(x) | 0 \rangle = \frac{1}{2}ig \int d^4y\,\frac{1}{i}\Delta(x-y)\frac{1}{i}\Delta(y-y) + \mathcal{O}(g^3) $$ ここで最初の項では $Z_g = 1$ としている.なぜなら $Z_g = 1 + \mathcal{O}(g^2)$ となることが後で分かるからである.この結果から,$\varphi(x)$ の真空期待値がゼロではないことが分かる.しかし,LSZ公式の有効性のためにはゼロでなければならない.この問題を修正するために,相殺項 $Y\varphi$ を導入する必要がある.この項を相互作用ラグランジアン $\mathcal{L}_1$ に含めることで,新しい種類の頂点が現れる.この頂点では1本の線分だけが終端し,頂点に対応する項は $iY\int d^4y$ となる.この新しい頂点を含む最も単純な図は下に示されており,バツが頂点を表している.

(図を挿入)

$Y = \mathcal{O}(g)$ と仮定すると,最初の図だけが $\mathcal{O}(g)$ で寄与し, $$ \langle 0 | \varphi(x) | 0 \rangle = \left( iY+\frac{1}{2}(ig)\frac{1}{i}\Delta(0) \right)\int d^4y\,\frac{1}{i}\Delta(x-y) + \mathcal{O}(g^3) $$ となる.したがって,$\langle 0 | \varphi(x) | 0 \rangle = 0$ となるようにするには, $$ Y=\frac{1}{2}ig\Delta(0)+\mathcal{O}(g^3) $$ と選ぶべきである.$i$ の因子は気になるが,$Y$ は実数でなければならない.なぜなら,$Y$ はHamiltonian中のエルミート演算子の係数だからである.したがって,$\Delta(0)$ が純虚数でなければ問題が生じる.そこで計算してみると $$ \Delta(0) = \int \frac{d^4k}{(2\pi)^4}\frac{1}{k^2+m^2-i\varepsilon} $$ で$\Delta(0)$ が純虚数かどうかはすぐには分からないが,別の問題が現れる:この積分は大きな $k$ で発散する.これは,場の零点エネルギーを計算したときに遭遇した紫外発散の別の例である.

ここで少し話を進展させるために,紫外カットオフ(高エネルギーでの制限)$\Lambda$ を導入する.これは $m$ や他の物理的に重要なエネルギーよりも十分大きいと仮定する.プロパゲーターがこのカットオフ以上で修正されることは物理的にも十分正当化される場合がある.例えば,時空そのものの量子揺らぎはPlanckスケール(数値的には $10^{19}$ GeV)以上で重要になるはずである.とりあえず,量子重力理論に厄介事を押し付けておくことにする.

プロパゲーターのLorentz変換性を保つために,紫外カットオフの導入方法を少し工夫する.具体的には,次のように置き換える: $$ \Delta(x-y) \to \int\frac{d^4k}{(2\pi)^4}\frac{e^{ik(x-y)}}{k^2+m^2-i\varepsilon}\left( \frac{\Lambda^2}{k^2+\Lambda^2-i\varepsilon} \right) $$ この積分は収束し,修正された $\Delta(0)$ は評価できる.$\Lambda \gg m$ の場合, $$ \Delta(0) = \frac{i}{16\pi^2}\Lambda^2 $$ となる.したがって,$Y$ は必要通り実数となる.形式的に $\Lambda \to \infty$ の極限を取ることもでき,このときパラメータ $Y$ は無限大になるが,$\langle 0|\varphi(x)|0\rangle$ は少なくとも $g$ の次数ではゼロのままである.

Lagrangian中のパラメータが形式的に無限大になることは気になるかもしれない.しかし,このようなパラメータは直接測定できるものではなく,その大きさについて先入観を持つ必要はない.また,$Y$ には $g$ の因子が含まれていることも重要である.これは,$Y$ を $g$ のべき級数展開の一部として扱えることを意味する.実際に測定可能な量(例えば散乱断面積)を計算するときには,形式的に無限大な数値はすべてうまく打ち消し合い,$g$ の各べきに対して有限な係数だけが残る.

より高次の $g$ の項に進むと計算は複雑になるが,基本的な手順は同じである.すなわち,$\mathcal{O}(g^3)$ の次数では,対応するFeynman図をすべて合計し,さらに $\langle 0|\varphi(x)|0\rangle = 0$ を維持するために必要な $\mathcal{O}(g^3)$ の項を $Y$ に加える.このようにして,$Y$ の値を $g$ のべきごとに順次決定することができる.

この調整が終わると,驚くべき簡略化に気付く.$Y$ を調整して $\langle 0|\varphi(x)|0\rangle = 0$ を維持することで,ソースが1つだけある全ての連結図の和がゼロになっていることが分かる.したがって,これらの図を計算する必要は全くない.ルールはこうである:一本の線を切ったとき,2つの部分に分かれ,そのうち一方がソースを持たないような図(いわゆるタッドポール図)は全て無視する.これらのタッドポール図は,どんな部分図に付いていても,$Y$ の相殺項によって必ず打ち消される.

次に残り2つの相殺項について考える.記法を簡単にするため, $$ A=Z_{\varphi}-1,\quad B=Z_m-1 $$ と定義する.これらはそれぞれ $\mathcal{O}(g^2)$ であると予想される.このとき $$ Z(J)=\exp\left[ -\frac{i}{2}\int d^4x \left( \frac{1}{i}\frac{\delta}{\delta J(x)} \right)\left( -A\partial_x^2+Bm^2 \right) \left( \frac{1}{i}\frac{\delta}{\delta J(x)} \right) \right]Z_1(J) $$ となる.ここでは部分積分を用いて,両方の $\partial_x$ を1つの $\delta/\delta J(x)$ にまとめている(この相互作用における時間微分は本来,共役運動量 $\Pi = \dot{\varphi}$ に対する追加のソース項を含めて扱うべきである.しかし,空間微分についてはこの方法で正しく扱えており,Lorentz不変性から時間微分も同様にうまくいくはずである.).

上の相殺項には2本の線が集まる新しい頂点が現れる.この頂点に対応する因子は $-i\int d^4x\,(-A\partial_x^2 + Bm^2)$ であり,$\partial_x^2$ は2本のプロパゲーターのうち一方に作用する(どちらに作用しても問題なく,部分積分で入れ替え可能である).図式的には,既存のFeynman図のプロパゲーター上にこれら新しい頂点を「振りかける」だけでよい.どれだけ頂点を加えるかは,$g$ の次数によって決まる.

これで $\varphi^3$理論における $Z(J)$ の計算が完了した.$Z(J)$ は次のように表される: $$ Z(J)=\exp[iW(J)] $$ ここで $W(J)$ は,tadpoleを含まない,少なくとも2つのソースを持つ全ての連結図の和であり,先ほど説明した相殺項の頂点も含めて計算される.

これで $Z(J)$ の計算が終わったので,次にこれを使って何ができるかを考える必要がある.

脚注

  1. ここで $i$ の因子を含めているのは,自由場理論で $W_1(J)$ を実数にするためである.